初の中間試験

 中間試験1週間前、部活動は休みに入った。学校からまっすぐに帰れば4時には帰宅できるはずだが、ミツキは5時過ぎても帰宅せず。帰宅後は、何をするでもなくダラダラする。食後に入浴して出るのは10時。その後やっと問題集を開き、1時間ほどで飽きて終了、就寝。

 試験5日前、ミツキの机の上に試験範囲表があるのを見つけた。その表を見て2つ衝撃を受けた。

 私が中学生のころも、試験範囲表は配布されていた。その表には、あくまでも各教科の試験範囲だけが書かれていたと記憶している。
 しかし、ミツキの学校のものは試験範囲だけでなく、課題という欄があった。課題の提出期限は試験当日とある。その課題の量の多さにまず衝撃を受けたのだ。

 私の経験では、試験前といえば教科書や板書を写したノートなどを参考に、改めて自分なりに要点をまとめてから暗記をした。あるいは、教科書の要点部分を赤いペンで塗り、緑色のシートで赤い部分を隠して暗記をした。
 しかし、今の中学生には、教科ごとに要点をまとめた参考書兼問題集が予め配布されている。参考書を見ると、要点はすでに赤字で記載されていて、目隠し用のシートも付いていた。私は、この至れり尽くせり的な感じにも衝撃を受けた。

 こんな便利な物を配布するなんて甘い。自分でまとめた方が、深く理解できるのではないか。いや、手間が省けた分、応用問題をやる時間ができるので良いことだ。いろいろ考えを巡らせたが、それは学習意志がある人間の考え型であり、ミツキにとってはなんの意味もなさないのだ。

 実際問題、ミツキは試験5日前だというのに、まったく課題に手を付けていなかった。学校側としても、課題を出さないと学習しない生徒のために、このような大量の課題を出しているのだろう。そして、課題を期限内に提出することが、成績表をつける上での大前提となるのだろう。

 何としても課題だけは、期限内に提出させなければ。

 だが、あまりの量に到底まともにやっていては提出などできない。結局、社会・理科・国語の問題集は、すべて答えを丸写しした。ありえない、考えられない、信じられない発想であるが、それしか方法がないことが情けなかった。そして、たかが丸写しするだけにも拘らず、3日も要した。

 英語と数学は、結局私が毎度おなじみの付きっきりで教える破目になった。数学は、途中式も書くので答えを丸写しという訳にはいかないのだ。英語は、心配なので見ざるを得なかった。

 数学は、初めのうちはサクサク解いていたが、複雑な文字式になった途端に解けなくなった。ヒントを出しながらであれば解けたが、ひとりで解くには不安が残る。だが、繰り返し問題を解いている時間などもはやなかった。

 英語には驚いた。4つも信じがたいことがあった。

①文の書出しの単語のスペルを大文字にするのを忘れる

②文末にピリオドを付けるのを忘れる

③文末にクエスチョンマークを付けるのを忘れる

④英文を作るのに「主語」「動詞」がどれかが分からな
 い。日本文の「主語」「述語」も理解していない。

 

この状況をどのように打破したらいいのか分からないまま試験当日となった。結果は次の通り。

    国語  数学  英語  理科  社会

     26   26   43   47   44

 英語は、まだ文章を書かせる問題は出なかったので、救われた。社会・理科は小学生のころ暗記した内容と重なっていた。だが、その分平均点は高かった。国語は音読もしていないのに点数など取れる訳がない。数学は、試験問題自体に驚いた。難しい上に問題量も多かった。学校で配布された問題集のレベルよりも高かった。

 詳しい順位の発表はないが、約160名中130番辺りのようだった。結果を踏まえてミツキと今回の反省と今後の取り決めをした。

①国語と英語の音読を毎日すること

②数学の問題集をノートに繰り返しやること

③英語教科書の文を全文暗記すること

④英語の問題集をノートに繰り返しやること

⑤国語の問題集を単元ごとにやっておくこと

⑥社会・理科は、2週間前から暗記すること

⑦課題に真面目に取り組むこと

 1か月後の三者面談で、成績について先生にいろいろ言われるだろうと覚悟した。ところが、実際には別の大問題を抱えているとは、このときの私は知る由もなかった。

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