【こぼれ話】自主性⑥
今年はたった2週間の短い夏休み。自粛期間が3か月と長かったので、これで十分。子どもたちも納得している。
1週目は夫の会社も夏休みだったが、今年は帰省も旅行もなし。家で各自思い思いの過ごし方をした。
目覚まし時計をかけないと、放っておいたら皆いつまでも寝ている。しかし、ゴミの日だけは、8時までにゴミ出しをせねばならない。
夜、ミツキに翌朝のゴミ出しを頼んだ。
「お盆期間中は、いつもより早く回収車が来る可能性があるから、絶対に8時までに持って行ってね」
返事はよかったが、予想通りミツキはなかなか起きてこなかった。何度も促してやっと。
3日後のゴミの日。また夜に頼んでおいたが、今度は何度促しても起きて来ない。諦めて私が捨てに行こうと玄関にいると、リオが起きてきた。今日は部活だと言う。そんな話、私は聞いていない。しかも、あと15分で家を出るという。
「ご飯と冷蔵庫のお味噌汁だけでも食べてて」
と言ってゴミ捨て場に向かった。急いで戻ると、リオはもう歯を磨いている。
「もう食べたの?」
「うん、スイカ食べた」
「この暑いのにちゃんとご飯食べなかったら倒れちゃうよ」
「うーん、面倒だからいらない」
ああ、そうですか。ご飯の準備ができていれば15分でも食べていくが、自分で準備するなら面倒だから食べない。そして、カット済みのスイカなら食べると。
ミツキもリオも、なんだかなあ……
風呂洗いも相変わらず取り掛かりが遅い。食器洗いや掃除機掛けも「おざなり」あるいは「過集中」
やってもらうことは当たり前。でも、自分が動くことは面倒。ミツキとリオは常に自分本位だ。誰かのためにという心がない。
私が風呂掃除を5時と決めたのには理由がある。5時に風呂掃除をし、5時半にはミツキかリオのどちらかに入浴して欲しいのだ。なぜかというと、ミツキは入浴時間と入浴後のお肌と髪のお手入れに1時間半以上掛かるからだ。強迫性障害とADHDによる過集中で、この時間を短くするのは今のところ不可能だ。
だから、5時半にミツキが入浴すれば、6時半に浴室を出て、次にリオが入浴できる。リオは全行程で45分程度。6時45分に入浴し始めれば、7時半にはリビングに戻る。ミツキは、リオの入浴中にお肌と髪のお手入れをし、7時半にはリビングに戻れる。その後みんなで夕食。
2人が先に入浴を済ませておけば、夫が帰宅時にすぐに入浴できる。
ミツキは、絶対に自分は1時間入浴すると決めている。次の人のことなど考えない。だから、夫の帰宅時間付近(帰宅時刻はまちまちで読めない)にミツキの入浴を赦すことは御法度なのだ。この暑い中、1日一生懸命働いてきた父親にミツキは配慮ができない。
夫の後にミツキが入浴だと、夕食後にミツキ、その後に私。私が入浴できるのは午前0時近くになる。
では、ミツキが1番最後に入浴すればいいと思うが、それも問題が生じる。ミツキの入浴はなんだかうるさい。風呂の蓋の開け閉め、シャワー音。ひどくうるさい上に、入浴時間が1時間では済まなくなる。
夫に帰宅後すぐに入浴をさせてあげたい。時間を有効活用できるリオには、入浴後に夕食、その後の就寝時間までにリオの大切な時間を過ごさせてやりたい。
皆が夕食の時間にミツキを入浴させれば、時間的な余裕はできる。しかし、それではミツキのわがまま放題だ。
だから、ミツキは夕食前に入浴しなくてはならない。それには、5時に風呂洗いをする必要があるのだ。
家族がスムーズに気持ちよく生活するには、思いやりを持たなくてはならない。
「1人がみんなのために。みんなが1人のために」
何度も、何度も、そう諭してきたけれど、理解はしても、実践はできない。
たかがお風呂洗いでこんな具合なのだから、ゴミ出しも、食器洗いも、掃除機掛けも、自主的にやろうなんて2人とも思わない。
ミツキはリオがやればいいと思っているし、リオはミツキがやればいいと思っている。そもそも、2人は「ママがやればいい」と思っているのだ。
そんな考え方でいいの? あなたたち、そんな考え方じゃあ、幸せになれないよ。
こうなったら、最後の手段だ。