これから

 周りの人たちの優しさと、ミツキ自身の持ち前の明るさのおかげで、小学校までは楽しく幸せに生きてきた。

 ところが、中学校では学習内容が難しくなり、成績は底辺を横這い状態になった。今どき中卒という訳にもいかない。なんとか成績を上げてやりたい、成績不良ならば、せめて生活態度だけは正したい。それが義務教育中の親の務めと思ってきた。だが、どちらも一筋縄ではいかなかった。

 ぶつかることが多く、互いに心が疲弊した。ミツキは劣等感を感じるようになった。この劣等感をどう乗り越えていくかが、今後のミツキ自身の課題だ。そして、ミツキのサポートから身を引くことが私自身の課題だ。

 ミツキの中学校はとても落ち着いた学校で、優秀な生徒が多かった。部活や遊びで同じ時間を過ごしていた野球部のメンバーも優秀だった。そんな中で自分がこれから3年間通う高校のことを考えると、卑下した気持ちになるようだった。

 その気持ちは分からないでもない。しかし、中学2年生の11月の三者面談で「行ける高校がない」と断言されたときのことを思い出してほしい。あのときは、音楽が「1」で、他の教科もほとんどが「2」だった。そんなどん底から最終的には5も上げたのだ(6上がって、1下がった)。そして、高校の推薦基準に達したのだから、胸を張ってほしい。

 友だちの高校と比べる必要などない。現時点のミツキの能力が十二分に発揮できる高校に合格できたのだから。あとは、ミツキ自身がその高校でいかに努力するかにかかっているのだ。

 クラスには遅刻や欠席の多い子や成績不良の子がいるかもしれない。それに流されるか、自分はみんなとは違うと踏みとどまるか、大学受験で巻き返すと思うかは、全てミツキにかかっている。

 大学生になることへの憧れを持っているのは、良いことだ。ただ、勘違いしてはいけない。大学生という社会的ポジションへの憧れだけならば、やめてほしい。学ぶ意思のない者が大学へ入ったところで、ただの学費泥棒になるだけだ。もちろん、今までのような考えでは、そもそも合格などあり得ない。

 目標を持ったのならば、実現するための行動を自分自身でしなければいけない。

 私はミツキを応援し続ける。ただし、義務教育は終了した。もう今までのようなサポートは一切しない。私はここに宣言する。

  • 朝は起こしません
  • 勉強のサポートを終了します
  • 遅刻が多いようなら退学してもらいます
  • 成績不良なら退学してもらいます
  • 退学したら、住込みで働けるところを探して家を出てもらいます
  • 節水できないなら水道代を払ってもらいます
  • 我が家のルールが守れないなら家を出てもらいます

 厳しいようだが、本来これが当たり前。学生の本分をまっとうすべきだ。そして、親子であっても共に暮らすにはルールが必要だ。自分勝手など許されないのだ。

 ミツキを変えられるのはミツキしかいないのだから。自分を律して、甘えから脱却して欲しい。

 私はこれからもミツキを応援し続ける。しかし、もう甘えは許さない。家庭は小さな社会だ。

 スムーズにいかないなと感じることは多々あるだろう。しかし、ADHDだからといって簡単に許される世の中ではない。諦めず努力し続けなければいけない。例え、なかなかスムーズにいかなくとも、努力が見えれば、必ず協力してくれる人が現れるはずだ。

 

 自分を変えられるのは自分だけ

 自分が変れば周りが変わる

 

 大丈夫。必ずうまくいくよ。

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