葉野ミツキの育て方

そんなトリセツ、あったらいいのに

作文練習

 エンカレッジスクールを受験することになった場合のために、作文の練習をしようと思った。だが、練習といっても何をしたらいいのか見当もつかなかった。

 ミツキとの会話は楽しい。語彙力不足のため、ときどき誤った言葉の使い方や端的に表現できないこともあるが、全体としてはまとまっている。

 ところが、文章を書くとなると不思議なくらいできなかった。感想を詳しく言うことはできるのに、口にしたことをそのまま書くように言うと手が止まってしまう。いったいどうしてなのか、私には理解できなかった。まとめようとしなくてもいい。口にしたまま書いて、後で体裁を整えればいい。そう言っても手はピクリとも動かない。

 本屋の教育関連の棚で横山博之監修、大森修編の「医学と教育との連携で生まれたグレーゾーンの子どもに対応した作文ワーク上級2」というワークを見つけた。

 10分間視写、主語と述語の理解、語彙に関する問題などで構成されている。パラパラと内容を見て、上級と書かれているものの簡単すぎると思い少し迷ったが、購入した。ミツキは主語と述語を理解していなかったからだ。日本語文を英文に替え着かえるとき、「文頭に主語。次に述語(動詞)」と教えても、日本語文の中から主語と述語を見つけられないことが多かった。動詞は、動きを表す言葉と教えても分からない。修飾語など分かりようもなかった。

 早速毎日の学習初めにワークを取り入れた。しかし、やはり簡単すぎた。簡単すぎても難しすぎてもヤル気は出てこない。簡単すぎるページを飛ばして、課題作文のページをやらせようとしたが、今度はその課題が「好きなスポーツ」「中学校での私の好きな時間」「私の好きな家での過ごし方」などで、何も思い浮かばないという。何も思い浮かばないとはどういうことなのか、私には理解できない。このワークはすぐに、お蔵入りとなった。

 文章を書くための想像力、語彙力を増やすために読書を勧めたが「おもしろい本がない」という。おもしろい本は、溢れるほどある。本を開くこともしないで、どうしてそんなことが言えるのだろうか。

「読書に慣れていないと活字を追うのに苦労するかもしれないけど、一度慣れてしまったたら、活字を目で追っているはずなのに、頭の中では映像となって、まるで映画を観ているように場面が流れていくよ。そうなると読書が楽しくなる。本を開いたらすぐに本の世界に入れる。映画館に行く手間も、DVDをセットする手間も省けて、しかも登場人物の容姿も自分の想像次第なんてすごいよね。語彙も増えて、表現力や想像力も鍛えられるなんて読書は最強だよ」

「オレも頭で映像化できるよ。ベルヌなら」

 ミツキは、「地底旅行」「海底二万里」「神秘の島」などの作者ジュール・ヴェルヌか好きで、この三冊を繰り返し読んでいた。私もベルヌは好きだが、せっかく頭の中の映像化を楽しめるのだから、幅広く読書を楽しんで欲しいものだ。

 子どもは親の習慣を真似るとよく聞く。私は読書が好きで、よく読んでいる。子どもたちが小学校低学年まで、毎晩読み聞かせもしていた。だが、ミツキもリオもまったく読書の習慣がつかなかった。本当に残念である。

 会社勤めをしていたころは、同僚と本の貸し借りをしては、互いに感想を言い合って楽しんでいた。今は相手がいないので、ネットの「読書メーター」を読んでいる。子どもたちと本の感想を言い合って楽しみたいものだ。

 作文ワークと読書は諦め、新聞の社説を視写することにした。私は高校生のころ、小論文の先生に勧めらえて、新聞の社説の段落分けと要約を約1年間毎日続けた。文章の構成や書き出しに迷うことがなくなり、効果を実感した。

 ミツキの視写はというと、2か月ほどは続いた。しかし、本人主導ではなく、私主導だ。言わなければやらないのだ。そして、やっていても、ただひたすら機械的に書いているだけのようだった。プロの文書構成の素晴らしさに感銘を受けることはなかった。

 エンカレッジスクール以外の選択肢を考えようと思った。

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