栄養療法
2017年3月、ミツキが小麦と乳製品の遅延型アレルギーだと判明した。
そもそも小麦や乳製品の何がそんなに悪いのか。当たり前のように口にしてきたおいしい食べ物が、なぜ体に悪影響を及ぼすのかを知らない限りは、小麦・乳製品フリーの生活に挑めない気がした。まずは、よく知ることが大切だ。
【小麦】
・グルテンは、小麦粉に水を加えてこねるとでる、粘りと
弾力性のもと
・グルテンの中にはグリアジンというたんぱく質成分があ
る。これには、中毒性があり小麦食に依存してしまう
・グルテンは、麻薬様物質であるエンドルフィンと構造が
似ている。
・小麦には「アミロペクチンA」というデンプン質が含ま
れている。これは、他のデンプン質より体内でブドウ糖
になるのが早いため、血糖値を急上昇させて、脂肪とし
て蓄えやすい
・正常な人の場合、小腸の粘膜の細胞は適度につながって
いて、必要な栄養素だけを取り込み、不要な毒素や細菌
はブロックする。しかし、小腸の粘膜の機能が低下した
人の場合、緩んだ細胞間から未消化のグルテンの毒素が
脳内に入り脳アレルギーを引き起こす
【乳製品】
・カゼインは、麻薬様物質であるエンドルフィンと構造が
似ている。
・カゼインは牛乳中に約3%含まれ、牛乳に含まれる全タ
ンパク質の約80%を占める。
・カゼインを固めたものがチーズ。
・牛乳のカゼインは分解が難しい配列をしたアミノ酸の集
合体で粘り気があるため、そのまま腸に届くと腸の壁に
炎症を起こしてしまう。
・栄養分の体内吸収を妨げる
・栄養の吸収が不足すると無気力感が生じる
知れば知るほど食べるのが恐ろしくなる。何らかの原因によって傷ついた腸粘膜を、グルテンやカゼインといったたんぱく質が未消化のまま通過したのち、血液とともに血液脳関門をも通過し、脳内に入って脳に悪影響を及ぼす。腸粘膜の機能が低下すると「脳アレルギー」が起こる。だから、それを防ぐために、腸粘膜バリア機能を強化し、腸内環境を整える必要があるのだ。
理論は十分わかったが、パン・スパゲティ・うどん・そうめん・ラーメン・お好み焼きと、小麦で作る食べ物は、家族みんなが大好きな食べ物ばかりだ。目前に迫っている春休みの昼食に何を作ったらいいのかと途方に暮れてしまう。
ミツキの輝かしい未来のためだ。それに今がんばれば、いつかは傷ついた腸粘膜が修復され、少量なら食べられる日がくるかもしれない。がんばるぞ!