遅延型アレルギー検査結果

 病院の予約は3時半だった。野球部の練習は、朝から遠くの球場でやるので休むことにした。採血のため、午前7時までに朝食を済ませて病院へ向かう。
 この日は、医師と顔合わせ程度の簡単な問診のあと、基本の血液検査とIgGアレルギー検査をした。保険はきかないので、なんと総額37,380円。高い。

 IgGアレルギー検査は日本では出来ない。ミツキ自身は日本から出たことがないというのに、体より先に血液がアメリカへと旅立った。

 1か月後検査結果となって帰国した。

 血液検査解析結果表によると、検査項目は全部で60項目あった。そのうち、分子総合栄養医学的見地により注意度が重度領域にあたるのもが、

 アルカリフォスターゼ 無機リン A/G 中性脂肪

 クレアチニン グリコアルブミン フェリチン MCV

 8項目もあった。基準値と照らし合わせてみると、例えば、フェリチンの基準値は、18.6~261ng/mlとなっている。ミツキは65ng/mlなので、最低値よりは高いが、最高値よりはかなり低い値となっていた。フェリチンの値は100ng/ml以上が理想なので、それに比べるとかなり低い。他の項目に関しても同様で、基準値の範囲内ではあるものの、基準値の最高値よりかなり低かった。

 この血液検査の結果から栄養解析がされ、ミツキにとって大切な栄養素として以下の7つがあがった。

  ビタミンB1 ビタミンB6 鉄 ビタミンB3 

  ビタミンC レチノール グルタミン

 次にアルテス・メディカルラボという会社に検査依頼した遅延型アレルギーの結果だ。全部で96品目。10品類に分類されていた。ミツキはそのうちの「乳製品」「穀類」
「デンプン」の項目に遅延型アレルギーの食品があると分かった。

「乳製品と小麦を除去した食事に切り替えて、サプリメントを飲んでみてください。給食は仕方ないけど、まずは家庭の食事から。もうすぐ春休みだから、春休みはがんばって徹底してみてください。体調が変わってくると思いますから。
 もし、来学期から給食をアレルギー食にするのであれば、診断書を出しますから言ってくださいね。では、このあとサプリメントの説明があります。一旦待合室でお待ちください」

 この病院は保険治療を行う一般的な病院とは違い、栄養療法を専門に行っている病院なので、医療器具が採血室以外は見当たらない。診察室には、大きな机にパソコンが1台置かれているだけだ。
 医師以外に看護士も診察室に1人いるが、看護士専用の席に座っていて、医師と患者の話を書き留めているのか、別の仕事をしているかよくわからない。パソコンがなければ、刑事ドラマでよく見る取調室が豪華になった感じだ。不思議な病院だが、はっきりと検査結果が数値に表れているのだから、しっかりと指示に従おうと思った。

 しばらくして、サプリメントの説明と購入のための部屋に通された。机の上には、すでにミツキ専用のサプリメントレポートという冊子が置かれていた。ミツキにとって必要な栄養素7つを摂取するために必要なサプリメントは、全部で6種類もあった。月に5万円以上かかる。しっかりと指示に従おうと思ったばかりであるが、月5万円は無理だ。

「この6種類は至適量で、ミツキくんに最適な栄養素の量になります」

「いやあ、これって約1か月の量ですよね。月5万円は、続けられません」

「分かりました。特に重要なのがこの4種類です。この4種類の1日の量も少し減らすと3万円になりますが、いかがでしょうか?」

 病院での検査結果と勧められたサプリの内容をもとに市販のサプリを購入する手も考えたが、やはり天然物由来のものの方が安心できる。高いが想定内の金額だと納得した。

 これからは、食事を乳製品と小麦の除去食とし、サプリメントを『NBcompA』朝夕2錠 『ヘム鉄6+』朝夕2錠『ナイアシン150』朝夕3錠、『BB』朝夕2錠を摂取する生活となる。

 ミツキの栄養療法生活が始まった。

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