ひらがな苦行

 児童館で遊んでいたら、シュンくんが声を出して絵本を読んでいた。衝撃が走った。

 入眠の儀式として毎晩本の読み聞かせをしていた。想像力の豊かなミツキは、おもしろいくらいにお話に熱中し、興奮した。しかし、本は読んでもらうものと思っているようで、絵本の文字に興味を向けることはなかった。

 文字を覚えるのは、いつぐらいなのだろうか。自分で本を読むのはいつぐらいなのだろうか。そう思っていた矢先のことだった。

 しかも、ミツキは6月生まれ、シュンくんは1月生まれだ。半年遅く産まれたシュンくんがもう自分で本を読んでいる。

 シュンくんのお母さんに聞いたところ、あくまでもシュンくんが自発的に文字を覚え始めたという。読み聞かせをしていたところ「これ、なんて読むの?」と文字に興味を持ったのだそうだ。そこで、1・2歳児用の文字の少ない絵本に戻って、これはあひるの「あ」という具合に教えていったところ、すぐに読めるようになったのだそうだ。

 ミツキを育てて4年。ミツキがシュンくんのようにいかないことは重々承知している。しかし、つい焦ってしまった。なんといってもミツキの方が、半年も早く産まれているのだから。

 すでにワーク苦行を体験済みだ。数字もまだ怪しい中、ひらがな苦行まで課していいものかという思いもあった。が、しかし決行。数字は0から9の十種類だが、ひらがなは五十種類だ。早く始めて、小学生になるまでの3年間かけて覚えるくらいのスタンスでいれば、焦りや怒りを覚えることもないだろう。今が初めどきだ。

 まずは、ダメもとでシュンくん方式にトライ。一番文字の少ない本で

「これは、あひるの、あ」

「ママ、何言ってるの。早く読んでよ」

 あっさり玉砕。

 次に、通信教材の付録にあった五十音表を使用。ミツキの目が虚ろになって玉砕。

 次は、とにかく書いて覚えてみる作戦。いきなり書けるわけもなく玉砕。

 そもそもシュン君のように自ら覚えよう、読もうという気持ちがないのだから教えようがない。

 そんなとき、テレビでジャガー横田夫妻が1歳のご子息、大維志くんの学習法を紹介していた。フラッシュカードというものだった。B6程度の大きさのカードにひらがなが1文字書かれている。1枚めくるとまた別のひらがな1文字。異なるひらがな1文字が書かれたカードを大維志くんの目前で「あ、い、う、え、お・・・」と、声に出しながら猛スピードでめくっていく。

 大維志くんは、ただ見ている。「あ」なんて言って指さしたりしない。そりゃそうだ。

 しかし、これでいいのだという。右脳に働きかけ、今は反応が無くとも覚えているのだという。ホンマかいなと思ったし、1歳児の学習方法を4歳児のミツキがやって効果あるのかとも少し迷ったが、やってみることにした。

 まずはフラッシュカードを買うべく、インターネットで検索すると、幼児教育のサイトでパソコン版フラッシュカードを発見。画面に一文字だけ大きく文字が映し出される。

 ミツキをパソコンの前に座らせ「あ、い、う、え、お」と声に出しながら、猛スピードで文字を送る矢印をクリックしていく。ジャガー横田家では、おそらく一気に五十音だろうが、我が家は一日5文字限定でそれを10回繰り返してその日は終了。

 翌日試しに昨日分の5文字を順番に見せてミツキに何の文字か聞くと、あっさりと全問正解。順番を変えても全問正解。これを繰り返したところ、五十音を十日で制覇してしまった。

 フラッシュカード、すっげーーーーー。

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